佛像圖彙24
【24】金色宝光妙行成就王(こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅおう)
[訳]
金色宝光妙行成就王 梵字はバー
東方に去る事六競伽沙の仏土に一つの世界有り。名を円満香積国という。そこにおわす仏を金色宝光妙行成就王如来という。四つの大願を発せられた。
[余話]
ある個人のブログに、この如来について次のような回向文(?)が紹介されていました。
―引用開始―
「金色宝光妙行成就如来」の聖号を7遍誦すならば、
種々の不善の業が除かれ、
水火や刀毒によって命を落とすことなく
無明や煩悩が除かれ 無上菩提道を速成できるとされます。
「頂礼(ちょうらい)供養(くよう)
帰依(きえ) 世尊(せそん)
応供(おうぐ)
正等正覚(しょうとうしょうがく)
南無(なむ)
金色宝光妙行成就如来(こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅにょらい)。」
(回向)
「願十方三世一切衆生(がんじっぽうさんぜいっさいしゅじょう)
皆得聞(かいとくもん)
南無(なむ)
金色宝光妙行成就如来(こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅにょらい)
的名号(てきみょうごう)
皆得大饒益(かいとくだいじょうやく)
恭請常念(きょうせいじょうねん)
南無(なむ)
金色宝光妙行成就如来(こんじきほうこうみょうぎょうじょうじゅにょらい)。」
―引用終わり―
出家者ではないようですが、研究者というわけでもなく、インドをはじめいろいろな回向文、呪文などが霊験あらたかなりといった感じで紹介されています。
上の金色宝光妙行成就王如来の回向文の出典なども明記されておらず、どの宗派流のものかも浅学菲才にしてわかりませんが、この金色宝光妙行成就王如来については「金色」とか「宝光」といった名号から金儲けなどに利用する人が少なくないようで、そういう態度はいかがなものかと思います。現世利益を求めるための仏さまではないはずですし、金色宝光というのもこの仏さまがそのように光り輝いているという形容に過ぎないはず。あくまでお薬師さんなのですし。
信仰となると、人それぞれいろいろ解釈し、俗人にはどれが正しいのかもわからず、とにかく信じることだと言われると、疑問を持ってはいけないのかと思ってしまう。こういったことはここでは立ち入りませんが、江戸時代の人の解説には金儲けの仏さまといったことはなく、昔の人のほうが存外、冷静に受け止めていたようで、その態度のほうが信仰としても自分を持しながら帰依する態度としてよいように思います。
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