訓蒙図彙175

訓蒙図彙 175 宝貨の部

白粉(はくふん) white lead

[訓読]白粉 はくふん しろいもの。鉛粉(えんふん)は、俗に云ふ、たうのつち(とうのつち)。鉛華(えんか)・光粉(こうふん)、並びに同じ。銀粉は、俗に云ふ、はらや。汞粉(こうふん)・軽粉、並びに同じ。粉霜(ふんそう)は、やきがへし(やきがえし)。


[通釈]白粉 はくふん しろいもの。鉛粉は、俗に云うとうのつち。鉛華・光粉、並びに同じ。銀粉は、俗にいうはらや。汞粉・軽粉、並びに同じ。粉霜は、やきがえし。


[語釈]●白粉 おしろい。顔や肌の化粧に用いる白い粉末。元来白いものの意で,その丁寧語「御白い」に基づく。粉白粉,水白粉,練り白粉の3種があり,粉白粉は便利であるが化粧くずれしやすく,水白粉は薄化粧に,また練り白粉は厚化粧に適しているとされている。固練り白粉,刷 (はけ) 白粉,紙白粉などの呼称も,いずれも前記3種の応用といえる。原料には鉱物質と植物質があり,鉱物質には炭酸鉛 (鉛白) ,酸化亜鉛 (亜鉛華) ,硫化亜鉛,酸化錫,酸化チタニウム,滑石,陶土などがあり,植物質には麦粉,米粉,葛粉などがある。日本でも明治までは鉛白を原料とした京白粉 (ハウニなどと呼んだ) や水銀を原料とした伊勢白粉 (ハラヤなどと呼んだ) などが用いられたが,鉛中毒にかかるおそれがあるところから製造されなくなった。


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