佛像圖彙17
【17】五劫思惟弥陀(ごこうしいのみだ)
[訳]
五劫思惟の弥陀
無量寿という三字は諸仏空仮中の三諦を表す。
五劫思惟の名号は八万法蔵の根元である。
[注]
五劫思惟とは、五劫の間凡夫を救うために思惟に耽ったとされる事。東大寺の像は有名。螺髪(らほつ)が伸びきっている。
三諦とは「空」「仮」「中」の三つの考え方。「空」全てが空 「仮」皆仮のもの 「中」空でも有でもない、ということ。
八万蔵藏 八万四千の略。多くの経典、または説法の意。
[解説]
五劫思惟阿弥陀如来は、阿弥陀如来の異形のひとつで、四十八の大願を成就するために永い間、剃髪をすることもなく坐禅・思惟していたために髪が伸びて得意な髪形になったという。なお、仏像では髪ではなく螺髪(らほつ)という。
劫とは永い時間を示す単位で、方四十里もある大磐石を百年に一度ずつ(あるいは千年に一度とも、それ以上ともする説も)白氈で払って、その石が擦り切れてなくなる時間のこと。殆ど永遠・無限である。
画像は奈良東大寺勧進所の五劫思惟阿弥陀如来坐像(重文)
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