【諸乗法数】1-21
【諸乗法数】1-21
一餐 『四十二章經』に「刀上蜜不足一餐」と。
註 此れは節文前後を記せば「財色于人 人之不舎 譬如刀刃有蜜 不足一餐之美 小兒舐之則有割舌之患」と。人が欲望を捨てきれぬ事を戒めた語。『四十二章經』は後漢末に譯された最古の漢譯經典と謂われている物である。迦葉摩騰と竺法蘭の共譯。
一燈 『華嚴經』に「譬如一燈 入於暗室」と。
註 一つの灯火も良く無明を照らし悟りに至らしむの義。原文は「譬如一燈 入于暗室 百千年之暗 悉能破盡」と。『維摩經』にも「一燈能破先年暗 一智能滅万年愚」とある。
疏 『維摩経』 は別名『不可思議解脱経』。サンスクリット原典と、チベット語訳、3種の漢訳が残存する。漢訳は7種あったと伝わるが、支謙訳『維摩詰経』・鳩摩羅什訳『維摩詰所説経』・玄奘訳『説無垢称経』のみ残存する。一般に用いられるのは鳩摩羅什訳。『般若経』の空(くう)の思想を受け継ぎ、それを在家(ざいけ)主義の立場にたって展開させた大乗経典の一つ。
0コメント