和俗童子訓95

貝原益軒著『和俗童子訓』95

腕法三あり。枕腕(ちんわん)あり、提腕あり、懸腕あり。枕腕は、左の手を右の手の下に枕にさする也。是小字をかく法也。提腕は肘はつくゑにつけて、腕をあげてかく也。是中字をかく法也。懸腕は腕をあげて空中にかく也。是大字をかく法也。うでを下にさぐれば、はたらかず。是小字、中字、大字を書く三法なり。


【通釈】

腕法に三種類ある。枕腕(ちんわん)、提腕、懸腕である。枕腕は、左の手を右の手の下に枕のように置くもので、小字を書く時の法である。提腕は、肘は机につけて、腕をあげて書くもので、これは中字を書く時の法。懸腕は、腕をあげて空中に書くもので、これは大字を書く法である。腕を下にさげると、思うように動かない。以上が小字、中字、大字を書く三法である。

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