【諸乗法数】9-10

【諸乗法数】9-10

九淨肉 

不爲巳(己の誤刻)殺 

不見殺 

不聞殺 

不疑為殺 

自死 

鳥殘 

生乾(幹の誤刻) 

不期遇 

前已殺


註 托鉢の際に施された物で食しても良いとされる九種の肉。

一 自分を饗すために殺した物ではない。

二 殺す所を見た物ではない。

三 殺す事を聞いた物では無い(絶命の時発する断末魔の叫び声など)。

四 自分を饗すために殺したとの疑いがない物。

五 鳥獣が自ら我が身を施してくれた物。

六 鷹等の猛禽類の食べ残した物。

七 殺されて久しく保存されている物。

八 たまたま有った物。

九 前に殺してあった物。

『四分律』に見える。中国に於いては大般涅槃経あたりからこれらの肉食が忌まれ、梁皇が菜食を以て常として以来、いわゆる素菜(精進料理)が常食になったとされる。元々は三種浄肉だったが、次第に解釈が広がったものと思われる。

因みに、肉食を事とした親鸞には「浄肉文」という文書があり「・・又云 三種淨肉。見聞疑。見といふは我が目のまへにて殺肉食。聞といふはわがれうにとりたるを食すをいふ。疑とはわがれうかと疑いながら肉食するをいふなり。この三つを不淨といふ。此の三つを離れたるを三種の淨き肉食といふなり」と説いている。

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