佛像圖彙554

【554】普賢延命(ふげんえんめい) 


[通釈] 

普賢延命 


[解説] 

 普賢菩薩から派生した菩薩。通常は延命普賢菩薩という。普賢延命法の本尊として祀られる。 普賢延命法は、密教で二十臂の普賢延命菩薩を本尊として、災いを除き寿命を長くするために行なう修法。普賢延命の護摩。普賢延命。

 密教がもともとこのような延命法という現世利益のようなものを有していたというより、法華が今も盛んに行っている祈祷の影響を受けたか、採り入れたとも考えられるが、密教はあくまで修行者が本尊と一体化するために行うのに対し、法華は荒行を完遂した修行者だけに許される祈祷によって依頼者の願いをかなえるという違いがある。災いのみならず呪いを解いたり、滅多に行わないということらしいが、呪いをかけるということもあるという。それも果たして仏の教えを奉ずる者としてありなのかどうか、そもそも呪いなどというものがあるのかどうか、暗示をかけることではないかとも思うが、素人があれこれ思いをめぐらしても詮無いことなので控える。江戸時代の本書でも説明がないものは、よくわからないものと、深入りを避けているもののようである。 (幕府は法華を遠ざけた)

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