【諸乗法数】1-23
【諸乗法数】1-23
一食 『維摩經』にいう「以一食施一切」と。
註 いちじきと訓ずる。以下「供養諸佛及衆聖賢 然後可食」と續く。食事の前には先ず佛に供養せよとの義。今でも炊き立ての米飯を佛壇に供えるのはその名殘である。
一髪 『僧祇律』に「午時過一髪 即非食時」と。
註 一髪は僅かな時間の事。『僧祇律』の原文では「過此午時影 一髪一瞬草葉 即是非時也」と有る。僧の戒律では太陽の陰が僅かでも南中したら食事をしてはならぬと有る。其の故は『毗羅三昧經』に「食有四種 旦天食時 午法食時 暮畜生食時 夜鬼神食時」とあることによる。
疏 〇僧祇律(そうぎりつ) 正しくは『摩訶僧祇律』。仏教の大衆部に継承されてきた律のこと。十誦律、四分律、五分律と共に四大広律と呼ばれる。中国,東晋代に成立した律蔵(教団の規律集)の一つ。 仏駄跋陀羅 (ぶっだばっだら) と法顕の共訳。 40巻。「五分律」とともに原典に基づいた完訳と考えられている。〇毗羅三昧經 『毘羅三昧経』上下二巻は中国仏教の基盤を築いた道安(2. ~3)の『綜理衆経目録』(3)に載る書物であるが、現存のものは日本で作られた偽経の疑いが強い。なお、昼以降に僧侶は食事をしないという戒律は、今も東南アジアで守られている。早朝、僧侶は托鉢して廻り、寄進された食物を昼までに頂く。
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