【諸乗法数】1-17

【諸乗法数】1-17 


一花 『梵網經』(ぼんもうきょう)に云う「一花百億國」と。 

註 原文は「一花百億國 一國一釋迦 各座菩提樹 一時成佛道」と續く。佛はこの世界に遍滿しているとの義。唐の李商隠も此の偈を踏まえて「苦海迷途去未因 東方過此幾微塵 何當百億蓮花上 一花蓮花見佛身」と詠っている。 

疏 〇梵網經は正しくは『梵網経盧舎那仏説菩薩心地戒品第十』。大乗仏教の経典で、『梵網経』と通称する。鳩摩羅什訳とされる漢訳が伝わる。上下の二巻本で、下巻を特に「菩薩戒経」とよぶ。 僧肇の序文によれば、原本『梵網経』120巻61品の1品を訳出したものであるという。漢伝仏教における菩薩戒はこの経典に説かれるものが用いられる。〇李商隠(り しょういん)は、晩唐の官僚政治家で、時代を代表する漢詩人。字は義山、号は玉谿生。また獺祭魚(だっさいぎょ)と呼ばれる。本貫は隴西郡狄道県。懐州河内県の出身だが、鄭州滎陽県で生まれた。官僚としては不遇だったが、その妖艶で唯美的な詩風は高く評価されて多くの追随者を生み、北宋初期に一大流行を見る西崑体の祖となった。 

一印 『大智度論』に「但有諸法實相一法印」とある。 

註 『大智度論』巻二十二に有る。三法印或いは四法印と説くが、此れを智顗は大乘の法では諸法實相の一法印のみと説く。諸法實相とは眞實有りの儘(まま)の法の姿と云う。  

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