佛像圖彙545
【545】虚空蔵(こくうぞう)
[通釈]
十三仏 虚空蔵菩薩
十三
[解説]
本図には注記がないが、十三仏のしんがりとして三十三回忌の忌仏とされている。年忌としては三十三回忌を以て故人は完全に成仏し、祖霊つまり神となる。これは我が国古来の信仰に基づく。
虚空蔵はアーカーシャガルバ(「虚空の母胎」の意)の漢訳で、虚空蔵菩薩とは「広大な宇宙のような無限の智恵と慈悲を持った菩薩」という意味。そのため智恵や知識、記憶といった面での利益をもたらす菩薩として信仰される。
その修法「虚空蔵求聞持法」は、一定の作法に則って真言を百日間かけて百万回唱えるというもので、これを修した行者は、あらゆる経典を記憶し、理解して忘れる事がなくなるという。 胎蔵曼荼羅の虚空蔵院の主尊であり、密教でも重視される。空海が室戸岬の洞窟、御厨人窟に籠もって虚空蔵菩薩求聞持法を修したとされるほか、日蓮もまた12歳の時、仏道を志すにあたって虚空蔵菩薩に21日間の祈願を行ったという。
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