【諸乗法数】1-15
【諸乗法数】1-15
一源 『華嚴抄』(前出)に「一源莫ニ(いちげんはになし)」とある。
註 『華嚴抄』には解譯として「甚深法界之体也」とある。眞理は湧き出す泉の様に源は一つであるとの義。
一斷 『普賢行品』(前出)に「一斷すれば一切斷ず」とある。
註 此れも『華嚴抄』の註解。斷惑(煩惱を斷つ)事に言及した物。決意して一斷すれば一切の煩惱を斷つ事も可能であるとの義。
疏 何事も発心し、決意すれば成就に向かうことができる。思案し、迷うだけでは何も変わらないし動かない。出家した修行者が頭を丸めるのも決意の表れのためということだが(頭髪を伸ばしていると髪形を気にしたり髪の乱れに心が奪われるため。これもまた煩悩。但し、浄土真宗の僧侶は剃髪しない人も多い)、決めること、動き出すことは一時のことなのでたやすいが、それを継続し、日々たゆまず、終わりの見えない修行や精進を続けることがいかに困難であるか。これは俗人も同じで、なにかをなしとげようとしても、完成や成就するのは容易ではない。途中で飽きたり、こんなことをして何になるのかといった迷いが生じたり、他に目移りしてしまうと、今までのことが無になってしまう。
0コメント