佛像圖彙543

【543】阿閦(あじゅく)


[通釈] 

十三仏 阿閦如来 

十一 

七回忌の忌仏 


[解説] 

 阿閦如来は、東方の現在仏。阿閦仏とも。漢訳仏典では阿閦婆などとも音写し、無動(無動如来)、無瞋恚、無怒、不動などと訳す。本書の見出しでは「あじゅく」と「し」を濁って読ませている。語源は「揺るぎないもの」を意味し、物事に動じず迷いに打ち勝つ強い心を授けるといわれている。阿閦如来は「大円鏡智(だいえんきょうち)」と呼ばれる智慧を具現化した仏で、「大円鏡知」は知識や経験のない純粋な心、鏡のようにありのままを映し出す清らかな心という意味。

  七回忌は、一周忌、三回忌に続き3回目の年忌法要。3と7は特に日本において古来より大切な数として考えられてきたことから、年忌法要も三回忌、七回忌、十三回忌などが重要視されてきた。ただ、故人にもっとも身近な存在で喪主を務めることも多い子どもも年々歳を取り、いつまでも三と七の周忌を行うことはできないこともあり、故人が成仏して「先祖」の仲間入りをするという考えも併せて三十三回忌を区切りとして「弔い上げ」とすることが多い。そのあとは孫や子孫、組織であれば後継者らが適宜五十回忌や百回忌、さらに50年毎の遠忌法要を行うが、もはやここまでくると寺院における歴代上人の追善供養の遠忌法要が殆どとなる。    

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