佛像圖彙540
【540】観音(かんのん)
[通釈]
十三仏 観音
八
百ケ日の忌仏
[解説]
百ケ日は四十九日の忌明け後初めて執りおこなう法要で、もともと仏式には無く、儒教から採り入れられたとされている。位牌も同様。従って、観音を配した事にさしたる意味はなく、このあたりでお出まし頂くのがよかろうといったところであろう。百ケ日法要を行う人は少なく、寺院でも檀家などに案内を出して執行する所はほとんどないようである。
儒教で没後百日目を重視したのは、残された者たちの悲しみもこの辺で区切りをつけて、前を向いて強く生きてゆくようにといった気持ちの切り替えのためといわれている。同じく儒教では、古くは親が亡くなった場合は三年間喪に服し、その間は仕事を辞め、日々墓守をして痛哭の日々を送るようにという習わしであった。このため、喪に服する人(子)は痩せこけて青ざめ、病人のようであったという。さすがにこれでは命にかかわるし、生活もできないからとのちに1年間に短縮され、これが巡り巡って仏教とともに今の日本の習慣にもなっている。仕事を辞めるといったことはなく、あくまで名目的な喪中としてであるが。
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