佛像圖彙490
【490】婆藪仙人(ばすうせんにん)
[通釈]
観音廿八部衆
婆藪仙人 梵字はア
『方等陀羅経』にいう「尓(この)時婆藪は地獄より出て、九十二億の罪人を引き連れて娑婆世界に詣り、十方に至らしめた」と。
[注]
方等陀羅経 正式には方等陀羅尼経。北涼の法衆の訳。
[解説]
観音二十八部衆は、千手観音の眷属として祀られる。善無畏の訳した『千手観音造次第法儀軌』に據る。
婆數仙人は、吉祥天の兄とされる。殺生の罪を犯し生きながら地獄に堕ちたが、改心し同じく改心した罪人を率いて現世に戻り、仏教の守護を誓ったとされる。尊名の読み方はばすせん、ばそせん、ばすうせん、ばそうせん等いろいろある。婆藪大仙(ばそたいせん)とも呼ばれる。火天の眷属で、五仙の一。火を尊び、火を祀る修行者とされる。
下の画像は三十三間堂蔵。
余説。漫画家本宮ひろ志の「雲に乗る」では婆藪仙人は狂言回しとして重要な役となっている。この作品では他にも諸天が登場する。
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