佛像圖彙465

【465】伐折羅大将(ばつせきらたいしょう)  


[通釈] 

伐折羅大将 戌 梵字はサク(例に依って崩れている) 

本地は得大勢至菩薩 

剣を持つ。 


[解説] 

 伐折羅は十二神将最強の神であり、古来最も人気があり有名である。図では「ばつせきら」と漢字の読みそのままになっているが、「ばさら」が正しい。伐折羅(バサラ)はヴァジュラが由来とさている。 

 下の新薬師寺の十二神将像では沓(くつ)を佩いている、同じ国宝の興福寺の木造十二神将立像の伐折羅(バサラ)像では唯一草履をはいている。 


 [雑記]

 源実朝(さねとも)暗殺の前夜、大蔵薬師堂の伐折羅大将が北条義時の夢枕に立ち、拝賀の式に参ずるなと告げた。義時は信じずに行列に加わったが、白い犬が目の前を横切るのを見て、俄の病と言い立てて列から外れ難を免れたという。〔以上、冢堀氏〕 

 佐々木道誉という鎌倉から室町にかけて活躍した守護大名は婆沙羅(バサラ)者と呼ばれ、その当時流行った派手な風俗をし、他の者とは違う雰囲気を持つ洒落者という意味で婆沙羅(バサラ)という言葉が使われた。但し、この婆沙羅(バサラ)と、十二神将の伐折羅(バサラ)は意味が別。  

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