佛像圖彙451

【451】太山王(たいざんおう) 


[通釈] 

第七 太山王 梵字はベイ 

閻魔王の太子である。太山府君とも。 また奉敬する者は深沙大王ともいう。 

本地は薬師如来

四十九日を主る。 


[解説] 

 太山王は七七四十九日目の王。通常はここで裁判が結審し、以降は再審となる。道教の神泰山府君と習合した。深沙大王との関連は不明。四十九日を過ぎると死者の霊は愈々六道へと。但し此の後も追善して徳を積むと地獄道等へ落ちても救済されるという。 

 もとは東岳大帝(東嶽大帝、とうがくたいてい)という道教の神。五岳の一つである東岳泰山の神であり泰山府君、東岳天斉仁聖大帝、東岳天斉大生仁聖帝とも呼ばれる。これが仏教でに取り入れてられ太山府君(たいざんふくん)と呼ばれ十二天の一尊焔摩天に従う眷属の一尊とされるようになった。更に十王信仰に取り入れられ、十王のうちの泰山王(太山王)となった。 

 下図は、奈良市西紀寺町 正覚寺蔵木造十王坐像(奈良市指定文化財) 

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