佛像圖彙450

【450】変成王(へんじょうおう)   


[通釈] 

第六 変成王 梵字はア 

変易成って作為する。変とは本地の仏身。成と不成とは異なり、成は説法の事である。 真如隨縁して王の身となることから名づけられた。 

本地は弥勒菩薩 

四十二日目を主る。 


[解説] 

 六番目の裁判官。 死後四十二日後の審理を行い六道に振り分けられた死者が、その中でもどのような場所に生まれ変わるかの審理を行う。十王の中では比較的寛容で、亡者側の意見や願いを聞き入れてくれるとされる。変成大王宝粛昭成真君(へんじょうだいおうほうしゅくしょうせいしんくん)、卞城王(べんじょうおう)とも。 

 この解説文は読解しづらいが、変易生死(へんやくしょうじ。連声で「へんにゃくしょうじ」とも) を踏まえたものと思われる。菩薩や阿羅漢などが、三界の輪廻を超えた身をもって、その願力によって肉体や寿命を自由に変え、この輪廻の世界に現われて受ける生死のこと。変易。聖者が迷いの世界を離れて、輪廻を超えた仏果に至るまでに受ける生死のこと。変とは本地の仏身とあるが、十王もそれぞれ本地仏があるということがそもそも複雑にしている。  

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