佛像圖彙445

【445】秦広王(しんこうおう) 


[通釈] 

十王 

十王経の説による 秦広王 

梵字はカーン 

奉ずる者は親であり、広である。即ち慈悲昵懇である。 広とは広大であり、一切を覆うの意味である。総じていえば慈悲広大の意味である。天地人の三才を貫く意味である。 

本地は不動明王 

初七日を主る。 


[解説] 

 十王は道教の冥官が仏教と習合したものと考えられる。十王経はいわゆる偽経の一つ。日本では『往生要集』等に見られ信仰が盛んになった。この秦広王は故人初七日の裁判を主る。ここでは殺生の罪を問いただされるという。 

 下図は、国宝・絹本著色十王図 (十王図のうち) 陸信忠筆 (りくしんちゅう) 1幅 中国・南宋時代・13世紀 奈良国立博物館蔵 

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。