佛像圖彙408
【408】持国天王(じこくてんおう)
[通釈]
持国天王 梵字はカ(本来はヂリ)
東方を守る天王である。多羅※(口偏に宅)と名付く。
[解説]
持国天王は、治国(じこく)天、東方天、持国天とも。 須弥山(しゅみせん)の東中腹に住し、東方の世界を守護する神であり、とくに仏法を守る。
服装は中国風の武将の鎧を着ていることが多く、四天王像では唯一兜を被っていることが多い。兜をつけない場合は、髪の毛を上に束ねてお団子状態になる、寶髻(ほうけい)を結っている(本書の図がこれ)。
持ち物は三昧耶形(さんまいやぎょう)と呼ばれ、持国天の持ち物(三昧耶形)として、剣・三鈷剣(さんこけん)や鉾・三鈷戟(さんこげき)という仏教の祭祀にも利用される武器を持つ。
下画像は国宝の東大寺戒壇院蔵持国天。踏みつけられている邪鬼の形相が物凄い。
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