佛像圖彙406

【406】炎魔天(えんまてん) 


 [通釈] 

炎魔天 梵字はエン 

夜摩天ともいう。これは具(つぶさ)に善分と翻訳する(割註・仁王經抄による)。

 ○『法苑珠林』に「妙善と名づく」とある。 人頭杖を持ち、琰摩知印を結ぶ。 


[解説] 

 炎(焰)魔天は、古代印度の神ヤマが仏教に取り入れられたもの。冥界を主る神ゆえ中国において道教とも習合し、冥界の王閻魔(閻羅)ともなった。人頭杖も道教に取り入れられ、死者の善悪を報告する人頭幢となる。人頭幢は俗に「見る目、嗅ぐ鼻」といわれている。 

 下図は焔摩天像 (京都市 醍醐寺 鎌倉時代)    

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