佛像圖彙383 付・浄土双六
【383】猿(さる)
[通釈]
廿五 猿
[浄土双六]38 疑城胎宮(ぎじょうたいぐ)
極楽浄土の辺地のこと。彌陀の本願に疑いを抱く者が一旦赴く所。胎児のように蓮華に包まれ、五百年もの間、仏に遇わず、法を聞かず、聖衆(しょうじゅ)を見ることができない状態となり、やがて真の往生を遂げることになります。
なかなか簡単に極楽往生はできないだけでなく、ここも一種の地獄のような感じさえします。しかし、ここでは苦しみはなく、心静かに自分と向き合い、彌陀の本願は疑いをもつものではないことを悟る。このようにして、いよいよ往生することになります。 これが本当であるとした場合、例えば今亡くなった人がいたとして、その人は四十九日の間に往生する先が決まるという俗説はまちがいで、中にはこの疑城胎宮に行く人もいるということになるわけです。
「死ねば誰もが仏様になる」について、『佛像圖彙』の訳注を担当されている冢堀さんよりコメントをいただきました。
「譬え往生するにしても下品下生は手間と時間が掛りその間に贖罪をするわけですから。全て佛に成るのなら往生要集その他の佛典の地獄の有様をどう説明するのか。実に浅薄な考え。」
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