佛像圖彙377 付・浄土双六

【377】午(うま) 


[通釈] 

第十九 前正面南方 午 馬 


[浄土双六]32 正定聚(しょうじょうしゅ) 


 正定聚は三聚の一つ。衆生を三種に分けたうち、仏果を得ると定まっているもの。必ず仏となることの決まった聖者。不退転の菩薩たち。真宗では阿彌陀仏の本願を信じて疑いなければ現世において正定聚にはいるとしている。 

 絵は「二河白道」。これについては、小学館の「日本大百科全書」より解説を以下に紹介します。

 「浄土往生(おうじょう)を願う者が迷いの世界から極楽(ごくらく)に至る道筋を、水・火の二河をもとに説き明かしたたとえ。唐の善導(ぜんどう)(613―681)が『観経疏(かんぎょうしょ)』散善義(さんぜんぎ)で記述したのによる。人が西に向かって行くと、南に火の河、北に水の河があり、その中間に4、5寸(約12~15センチメートル)の白道があって、水火が猛然と押し寄せ、後方からは群賊や悪獣が迫ってくる。進退窮まり、白道を渡ろうかと思案していると、東岸から早く渡れ、死の災いはないという声、西岸からかならず守るからという声に励まされ、信じて西岸に達した。火の河は人間の瞋(いか)りや憎しみ、水の河は愛着や欲望、白道は浄土往生を願う清浄(しょうじょう)心、群賊たちは人間の迷いから生ずる悪い考えなど、東岸の声は娑婆(しゃば)世界の釈尊(しゃくそん)の教え、西岸の声は極楽浄土の阿弥陀(あみだ)仏の呼び声に例えたもの。日本では絵解きとして広く知られた。美術的遺品では、鎌倉時代の制作になる京都・光明(こうみょう)寺、兵庫・香雪(こうせつ)美術館の図が名高い。」 

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