佛像圖彙371 付・浄土双六

【371】鮫(さめ) 


[通釈] 

十三 鮫 


[浄土双六]26 禅定智恵(ぜんじょうちえ) 


 六波羅蜜の第五と第六。禅定は、どんなことでも心が動揺する事が無くなった状態。智恵は、正しくは智慧。真理を見きわめ、真実の認識力を得ること。悟りと同義であるともいわれます。 なお、江戸時代には富士登山等を「富士禅定」などと称しました。 

 絵は一休禅師。有名な「九年まで 座禅するこそ 無益なれ まことの時は 弥陀の一声」という歌を添えています。これは禅宗のやり方を真宗の立場から痛烈に皮肉ったもので、浄土真宗で説かれる阿弥陀如来の本願は無条件で救われるのに、禅宗の祖師の達磨が、壁の前で9年間、手足が腐るまで座禅をしたのは無意味なことだ、というものです。 一休さんは臨済宗大徳寺派ですが、蓮如と親交があり、晩年には真宗に傾倒してこのような歌まで残したほどです。 


 奇書「一休骸骨」より 「一休骸骨」は一休自身の作。骸骨のさまざまなしぐさを絵に描いて、道歌・法語と組み合わせたもの。滑稽な漫画の元祖ともいうべきものです(「鳥獣戯画」のほうが有名ですが)。 

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