佛像圖彙366 付・浄土双六
【366】寅(とら)
[通釈]
八 寅 虎
[浄土双六]21 聖道門(しょうどうもん)
阿弥陀仏の本願力によって極楽に往生して悟りを開く他力の浄土門に対し,現実のこの世に生をうけている間に努力修行して悟りを開く自力の修行法を聖道門といい、難行道ともいう。
この言葉や意味は浄土宗の法然が説いたもので、法然は、末法の世において他力本願(阿弥陀仏による本願の働き)がいかに優れているかを説き、衆生に称名念仏を勧める上で、天台宗や真言宗、禅宗のあり方を否定するために説いたとされています。
絵は、険しい山道を登りながら浄土への聖道門を目指している人たち。大船に揺られながら安楽に浄土門へ行く前回の絵と違い、こちらは各自が自力で向かう姿。不鮮明ですが、先頭は出家者(僧侶)のようです。このお坊さんとともに苦労しながら浄土を目指す。こちらの絵のほうが尊いように思えますが、浄土教では否定しています。
どちらが良いか悪いかは一概に言えないし、優劣をつければ釈迦の恥。むしろ、自分がよいと思える方を選び、信じて精進するのがよいでしょうし、それが信仰というものだと愚考します。
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