佛像圖彙358 付・浄土双六


【358】秤量宮(ひんりょうきゅう) 


 [通釈] 

十二 秤量宮 


[解説] 

 秤量宮は、天秤宮(てんびんきゅう)とも。黄道十二宮の7番目。てんびん座。獣帯の黄経180度から210度までの領域で、だいたい9月23日(秋分)から10月23日(霜降)の間まで太陽が留まる(厳密には、太陽通過時期はその年ごとに異なる)。四大元素の空気に関係していて、双児宮・宝瓶宮と一緒に空気のサインに分類される。 


[浄土双六]13 畜生(ちくしょう)


 六道の一つ。三悪趣の一つでもある。悪業の報いによって導かれた畜生の世界、またはその生存の状態。畜生道。畜生界。畜趣。仏教の教えとは別に、肉親間における性関係や男色も道徳上許されないものとして畜生と言われています。 一般に動物のことを畜生と言いますが、仏教では生き物が死ぬと、別の生き物に生まれ変わるとされています。人も同じ。ただ、人が死ぬと次もまた人として生まれるとは限らず、動物に生まれ変わるかもしれないし、鳥かもしれないし、虫かもしれない。動物ひとつとっても、ねこなどのように愛玩動物もあれば、牛や馬のように農作業に使役されるものもある。牛の場合、食肉用としてさんざん食物を食べさせられ、肥え太らされて殺される肉牛もある。豚も同じ。また、熊のように嫌われ、エサを求めて人里に現れると殺されるものもある。猪も同じ。虫に至っては種の保存のためにのみ生きているようなもので、害虫という種類に入れられているものなどは、人に見つけられるといろいろな方法で殺されるし、見つけられずとも駆除用の罠も仕掛けられており、害虫にとっては地獄といえる状況。それでもしたたかに生きていますが。 

 永遠に生まれ変わり死に変わりしながら六道をめぐる輪廻転生思想。ここから抜け出すのが悟りを開いて成仏するということですが、悟りを開くために仏道に発心し、修行をしないと、来世は畜生となり畜生道に堕ちるぞ、悪鬼である人や他の生き物に襲われるぞ、というのがこの絵の示すところです。  

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