佛像圖彙356 付・浄土双六
【356】弓宮(きゅうきゅう)
[通釈]
十 弓宮
[解説]
弓宮は、人馬宮(じんばきゅう)とも。黄道十二宮の9番目。いて座。獣帯の黄経240度から270度までの領域で、だいたい11月22日(小雪)から12月22日(冬至)の間まで太陽が留まる(厳密には、太陽通過時期はその年ごとに異なる)。四大元素の火に関係していて、白羊宮・獅子宮と一緒に火のサインに分類される。
[浄土双六]11 三州(さんしゅう)
これは古代インドにおける世界観で、中央にそびえ立つのは須弥山(しゅみせん)。仏教のほかバラモン教やヒンズー教などもこの世界観を共有しています。 仏教の世界観では、須弥山をとりまいて七つの金の山と鉄囲山(てっちさん)があり、その間に八つの海があるとされ、これを九山八海といいます。 絵では東州、南州、西州が描かれていますが、須弥山の向こう側には北州もあります。
須弥山の中腹には日天と月天が回っており、須弥山の高さは八万由旬(ゆじゅん。牛に車をつけて1日引かせる行程のこと。一般的には約11.3kmから14.5km前後とされる)といわれ、中腹には、下から恒憍天、持鬘天、堅手天、四大王天がおり、ここを住みかとしながら四州を守っている。これらの住みかは四層状になっていて、山の中腹から四周にはみ出たベランダ構造になっているとされる。四天王の眷属たちは、他の山々や、太陽や月に植民している。さらにその上の山頂の忉利(とうり)天には帝釈天と他三十二天が住むとされています。
江戸時代も後期になると西洋から世界地図が伝来されるようになり、もちろん完全なものではありませんが、須弥山を中心とした世界というものは現実には存在しないということは識者の間では認識され、地球儀により大地は丸いということもわかっていました。ちなみに、西洋では長く天動説が信じられ、地動説を主張すると処罰されたほどですが、東洋では古代から天体観測が盛んで大地も動いているだけでなく、どうやら球体であるらしいということが言われてきていたため、地動説もすんなり受け入れられ、むしろ天動説のほうがおかしなものとして相手にしなかったものでした。
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