佛像圖彙351 付・浄土双六
【351】牛密宮(ごみつきゅう)
[通釈]
五 牛密宮
[解説]
牛密宮は、密教の宿曜道における十二宮の一つ。サンスクリット名を「ヴリシャ(Vṛṣa)」といい、牛を意味するため牛宮というほか、「金牛宮(こんごぐう)」、「密牛宮(みつごぐう)」、「牛密宮(ごみつぐう)」、「持牛神主(じぎゅうじんしゅ)」とも訳す。また音から「毘梨沙(びりしゃ)」とも呼ばれる。西洋占星術における牡牛座にあたり、期間としては穀雨から小満に至るまで(4月から5月にかけて)を指す。また二十七宿の昴宿、畢宿、觜宿にあたる。牧畜を司るとされ、胎蔵界曼荼羅では東方(上側)に牛の姿で描かれる。
[浄土双六]6 飲酒(おんしゅ)
五戒の一つ。飲酒は仏教においては「おんしゅ」と発音します。意味は「いんしゅ」と同じ。 絵は宴席の場面。江戸では各自膳で供する本膳よりも大皿大鉢或いは塗りの硯蓋で取り分ける宴席の方が砕けた形で好まれたようです。そのための大皿大鉢は江戸の遺跡から数多く出土します。
飲酒は酩酊すればそれぞれの性格と相まっていろいろな悪さをするものですし、正常な判断ができなくなる。また、常習性も強いため、酒を手に入れるためにお金をつぎ込み、お金がなくなると悪事を働いて得ようとする。戒めるのは当然です。
釈尊が不飲酒を戒めに加えたのは、当時は酒の精製が疎略なために体に害をもたらし、死ぬことも多かったことから、危険なものとして戒めたという説があり、恐らくはこういうことでしょう。ちなみに、当時はまだ煙草や麻薬はなかったために五戒に入れようがなかったのであり、煙草や麻薬を奨励したわけではありません。
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