佛像圖彙346
【346】軫宿(しんしゅく)
[通釈]
二十八 軫宿
通考に「軫は四星。また家宰輔臣を主る」と。
[注]
家宰 かさい。家の仕事を、その長に代わってとりしきる人。
輔臣 ほしん。天子の国政を輔佐する臣下。
[解説]
軫宿は、和名みつかけぼし。二十八宿の一つで、南方朱雀七宿の第7宿。距星はからす座γ星。主体となる星官(星座)としての軫は、からす座のγ、ε、δ、βの4つの星によって構成される。占いでは「田地・家屋の買入れが吉」などとする。『晋書』天文志には車騎を主るとある。
以上が二十八宿である。
[浄土双六]1
「摂津名所図会」はまだ続きますが、ここでちょっと江戸時代の双六(すごろく)から、浄土双六を紹介したいと思います。江戸後期には庶民の読み書きが解禁されて寺子屋の普及により識字率が飛躍的に伸びたものの、お経や仏書はとても読みこなせるものではない。また、お坊さんによる法話も一方的に聞くだけで耳から入っても人により理解に差がある。
そこで、遊びながらいろいろ知ったり擬似体験するものとして双六が使われるようになりました。双六は教材としていろいろな種類が作られ、その一つに、善行を積めば極楽浄土に行けるし、悪いことを続けると地獄に堕ちるということを知る双六が作られました。
この浄土双六はその性質上、コマを進んで行くというものではなく、指示されたコマで特殊なサイコロを振り、出たコマに飛ぶという方法です。つまり、浄土に近づいたと思ったら次は地獄に近づくといった、ハラハラドキドキなものです。
毎回、一つずつ紹介しますが、取り敢えず振り出しからまず地獄の方へと進むことにします。正しくは「善悪双六極楽道中図絵」といい、弘化5[1848]年に京都で出されたものです。
振り出し
南瞻部州は佛説による四大陸のこと。須彌山(しゅみせん)を中心に四方に分けられています。日本は南瞻部州に属すると考えられ、藤原道長が金峯山(きんぷせん)に埋めた経筒にも記載があります。
四方の黒白の算木は骰子の目。それぞれに進むわけです。つづく
0コメント