佛像圖彙334


【334】婁宿(るしゅく) 


 [通釈] 

十六 婁宿 

通考に「婁は三星。苑牧(えんぼく)で飼育している犠牲のための動物を郊祀に供給することを主る」と。 


[注] 

郊祀 天子が都城の郊外で天地を祀る儀式。北京の天壇は著名だが、他にも地壇・日壇・月壇・稷 壇・先農壇・先蚕壇もあり、四時に天子自ら出御し祀りが執り行われた。 

苑牧 牧苑とも。まきば。中国の祀りでは日本の神饌に尾頭付きの魚類を供えるのと同じく、一頭丸のままの牛・羊・豚を供える。最高は「大牢」といい、牛・羊・豚を屠り下処理をして供える。これは天子の勅祭のみ。以下諸侯は牛を減じた「小牢」、庶人は鶏や豚の足等となる。ちなみに大牢を供えない孔子祭は釈奠(せきてん)ではなく「釈菜」。ゆえに湯島や足利或いは多久の孔子祭は「釈菜」である。 


[解説] 

 婁宿は、和名たたらぼし。二十八宿の一つで、西方白虎七宿の第2宿。距星はおひつじ座β星。主体となる星官(星座)としての婁は、おひつじ座β、γ、αの3つの星によって構成される。占いでは「開店は吉だが、南行は凶」などとする。標題では「るしゅく」と仮名が振ってあるが天文的には「ろうしゅく」と読んでいる。 


[摂津名所図会より]47 四天王寺続き 

万塔院(まんとういん) 二王門の西にあり。千手観音・四天王・賓頭盧(びんずる)等を安置する。毎年十月八日より十二日まで、毎日酉の刻、十講会を執行する。

 ※万灯院 本尊は十一面観音。紙衣仏を祀っているため紙衣堂ともいう。衣替え法要が10月10日に行われる。

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