佛像圖彙325


【325】箕宿(きしゅく) 


 [通釈] 

七 箕宿 

通考に「箕は四星。また后妃の府である。八風を主る」と。 


[解説]

  箕宿は、和名はみぼし。農具の箕に見立てて名付けた。二十八宿の一つで東方青龍七宿の第七宿。距星はいて座γ星。星官(星座)としての箕は、いて座のγ、δ、ε、ηの4つの星から構成される。占いでは「普請・造作は吉だが、その他は凶」などとする。

  八風は、仏道成就を妨げる八つの事で、利・衰・毀・誉・称・譏・苦・楽。

  後漢の応劭(おうしょう)の『風俗通義』祀典篇によると、周代に風伯(箕宿)と雨師(畢宿)を祭る祭典があったとされる。 


 [摂津名所図会より]38 四天王寺続き 

〇六時堂 蓬池の前にあり。桁行十三聞五尺玉寸、梁行九間二尺七寸。この堂において六時礼讃をつとめられたことから六時堂と名付けられた。 

往昔、伝教大師の草創にして、比叡山根本中堂を移した(同じ形のものを造られた)。堂内に伝教大師が禅定の座席の蹟がある。 

薬師如来・日光・月光・千手観音・四天王・不動明王・吉祥天女・妙見星・計都星・羅睺星・賓頭盧等を安置する。 三大会に池の上の石橋舞台において舞楽数々あり。 


※六時堂 本尊は薬師如来。境内中央に位置する雄大なお堂。享和元年(1801)に落雷で焼失したため、文化8年(1811)に椎寺の薬師堂を移建した。昼夜6回 にわたって諸礼讃をするところから六時礼讃堂の名がある。 

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