佛像圖彙317


【317】月曜星(げつようしょう) 


 [通釈] 

月曜星 梵字はソ 

第八 阿弥陀如来 


[解説]  

 月曜星は、九曜星の8番目。本尊は本図では阿弥陀如来とあるが、普賢菩薩とするものもある。方位は北西。胎蔵界曼荼羅では西。占いでは「この年にあたるときは、大いに吉。夏秋は他より幸福を受けることあり。何ごともすべて良し。」などとしている。

  画像は、東寺観智院伝来の「九曜秘暦」より、右から計都、月曜、日曜星。


  ネットを見るに、九曜星占いに関するものはたくさんあるが、寺院のサイトでも吉凶を示すページを開設している所が少なくないのが注目される。一般の人向けのものだが、現代人のほうがこういった占いや吉凶を気にする人が多い、つまり需要がそれだけあることを意味しているのではないか。本書「佛像圖彙」を見ても吉凶に関することは特に書かれてないし、同時代の他の類書でもあまり見かけないことからも、迷信ごとはどうも現代人のほうが惹かれやすい(溺れやすい)のではないか。本来、宗教はそういう迷信から人々を掬い上げるためにあり、何かにつけて「地獄に堕ちる」「先祖の祟りがある」「今すぐ除霊しなければならない」と恐怖心を煽るのは仏教の教えにはないものであると言われているが、全くその通りだと思う。 

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