訓蒙図彙377

訓蒙図彙 377 天文の部 

月蝕(かっしょく) lunar eclipse 


 [訓読]月蝕 くわつしよく(かつしょく がっしょく) 月食、同じ。○霊憲に曰く「曰の衝ふ所に当たりて光常に合はざるは、則ち地に蔽(おおは)るるなり。是れを闇虚(あんきょ)と謂ふ。星に在りては星微(かすか)なり。月過(よぎ)るときは則ち食す、と。〔図中〕地影。地。日。 


[通釈]月蝕 かつしょく がっしょく 月食も同じ。○霊憲にいう「太陽からの光が地球によって蔽われると、月への光が合わなくなる。これを闇虚という。星の場合は微かで、月が横切るときは食す。〔図中〕地影。地。日。 


[語釈]●霊憲 中国の後漢時代の科学者、文学者張衡の著。字は平子。河南省の南陽西鄂の人。安帝・順帝に仕え、天文暦法や史料編纂の長官に当たる太史令になり、さらに後漢では最高の官の尚書になった。文学の才にたけ、〈西京賦〉〈東京賦〉〈南都賦〉〈思玄賦〉などの詞賦を書き、七言詩成立途上の一時期を画す〈四愁詩〉を作った(いずれも『文選』に収録)。天文・陰陽・暦算に通じ,渾天(こんてん)家として『霊憲』を書いて、宇宙生成説、宇宙説を論じ、さらに「天地は鶏卵のよう」に球状の天が中央のまるい地を包むという明確な渾天説に基づいて『渾天儀』(こんてんぎ)を書き渾天儀の製法について述べた。  

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