佛像圖彙222

【222】薬上菩薩(やくじょうぼさつ)

[通釈] 薬上菩薩 梵字はベイ 二十六日 

法華文句の十にいう「妙荘厳王のことである」と。 


 [解説]

  薬上菩薩は、薬王菩薩と共に釈迦如来の脇侍として付き従う事が多く、単独での信仰は皆無である。手に薬壷を持つとされるものの、定型は無く、しばしば変容する。薬王菩薩とは兄弟であったとされる。〔以上、Wikipedia〕 

 この図では薬壷はなく、蓮華(過去、現在、未来の状態を表わす)を持つ。 


 [雑記] 

「百年後の仏教」 【5】曹洞宗大学教敎授 原田祖岳 

「眞實の佛敎豈時に盛衰あらんや。宇宙空じ來るも佛敎は差の盛衰なし、成住壊空塵々三昧なり、而して第二義門頭に立つて信不信の盛衰を計らんか一百年後は有象無象の學敎の迷雲を拂一拂し、無上菩提の太陽を掲げて世界萬國を光濟するの好日なりと信ず、若し斯くの如く信じること能わずんば未だ我が正法を知らざるものなり、信ぜざるものなり、若し我が佛法の大智大悲大機大用を信ずる底の眼力あれば、斯く信ぜざらんとするも得ざるなり、但し決して決して寝て居ての牡丹餅談にあらず、我が無上菩提を信徹するの士は無限の大悲の願輪に乘じ來つて斯の如くせざれば斷じて止まざればなり。」 

 仏教は世界を照らす太陽のようなものであり、盛衰などあろうはずはない。これを信じない者は正法(しょうぼう。正しい教え。狭義には釈迦の教え)知らないのである、と勇ましく断じています。釈尊は入滅したが、未来仏があり、地蔵のように今を守る菩薩もいるということからすれば、世の中がどう変わろうとも仏の教え、仏教は不変不動であるという理屈はその通りといえましょう。むしろ、激変する時には人々の心も不安に満ちるのだから、支えとなるものは必要。薬物に頼っても一時的な安静でしかないし、心そのものの動揺は抑えられない。そこで必要なのは信仰ということですね。何も信じられないという人も、自分を信じることは大事でしょう。   

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