佛像圖彙221

【221】赤山大明神(せきざんだいみょうじん)

[通釈] 

赤山大明神 梵字はキャ 二十五日 

赤山は中国では泰山府君と称する。今叡山の西の麓にある。 

本地は地藏菩薩 


 [解説] 

 赤山大明神は、現在は赤山禅院として比叡山の西に祀られている。祭神は泰山府君とされ、仏・神・道が習合した神。円仁が入唐(にっとう)した際に立ち寄った赤山の神を請来した。泰山府君とされているが本来は別の神。

  秦の始皇帝が瑯琊(ろうや)を巡行した際に祀った赤山の神圓仁が請来するに至った過程は圓仁の入唐求法巡礼行記に記載されている。 赤山は山東省栄成市の海に面した山。恐らく航海の目印として漁民や海商に依って崇められたのが始めであろう。殊に新羅への航路にあたっているので朝鮮半島とも結びつきが強い。2016年に訪れたが例により整備されすぎ、山頂には巨大な赤山神の像が聳え立っていた。〔冢堀庵〕 


 [雑記]

 「百年後の仏教」 【4】 一如洞敎主 武田豊四郎

 「精神的盲者たる私たちが何んで當來の佛敎を豫言することが出來ませうぞ。しかし強いて空想を逞(たくま)しうして私のプレセンチメントを一言致しますれば百年後に於ける佛敎は僧侶の手から離れて篤信の優婆塞優婆夷が辛うじて法燈を護持するやうになりはすまいかと思ひます。それまでの間に宏莊な伽藍や廣漠たる墓地が除かれて、その跡には民衆の住宅が櫛比するやうになり、僧侶といふ特殊階級は次第にその數を減じて行くでせう。」 

 100年後には僧侶は減少し、法燈は篤信の在家によって護持され、大きな伽藍や墓地は除去されて跡地に住宅が建ち並ぶであろうとする。現在、僧侶の数は減少の一途、廃寺も増え、墓地墓石はとても購入も維持費(供養料)も払えない人が多数となった現状からみて、今後、武田氏の予測する状況に加速して向かうかもしれません。そもそも寺院はある程度の檀家がいて、僧侶は総代らによって認証されるのが一般的なので、僧侶になる人が増えてもお寺がない、檀家もいないというのでは、いくら宗教が税制上優遇されているといってもすべてが非課税というわけではないわけだから、僧侶をやりながら他の職に就くというかつては当たり前だった形態も増えるでしょうが、これはよほど心身が健全でないと耐えられません。葬儀はいつ頼まれるか全くわからないのだし。  

過去の出来事

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