佛像圖彙213
【213】八王子権現(はちおうじごんげん)
[通釈]
八王子権現 梵字はキリーク 二十一日
江州の山王七社の内の一尊。
本地は千手観音菩薩
[解説]
八王子権現は、近江国牛尾山(八王子山)の山岳信仰と天台宗・山王神道が融合した神仏習合の神であり、日吉山王権現もしくは牛頭天王(ごずてんのう)の眷属である8人の王子を祀った。神仏分離・廃仏毀釈が行われる以前は、全国の八王子社で祀られた。
8人の王子とは日吉山王権現、あるいは牛頭天王の8人の眷属神である相光・魔王・俱魔良・徳達神・良侍・達尼漢・侍神相・宅相神のこと。それぞれ本地は順に釈迦・文殊・弥勒・観音・薬師・普賢・阿弥陀・地蔵。八方の各方位を司るとされた。塞神信仰や陰陽道の影響で、病気や災厄を免れるご利益をもたらすと信じられた。
東京の多摩地区最大の市である八王子市の名の由来も上記の八王子信仰に由来するもので、他にも地名として各地にみられる。
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