佛像圖彙200

【200】阿弥陀仏(あみだぶつ)


[通釈]

阿弥陀如来 梵字はキリーク 十五日

称賛浄土経に「其の中の世尊を無量壽及び無量光と名付ける」とある。

〇阿弥陀経に「成仏して以来、今に至るまで十劫を過ぎた云々」とある。

○法華経に「成仏してすぐに阿弥陀仏極楽世界に住むことが出来る云々」とある。


[注]

称賛浄土経 正しくは称賛浄土仏摂受経。唐の玄奘による阿弥陀経の異訳。


[解説]

 阿弥陀如来も既出。西方の極楽浄土の教主で、生あるものすべてを救う仏。梵名のアミターバは「量(はかり)しれない光を持つ者」、アミターユスは「量りしれない寿命を持つ者」の意味で、これを漢訳して・無量光仏、無量寿仏ともいう。厳しい修行をせず、念仏を唱えることにより浄土に往生できるという阿弥陀信仰が日本の鎌倉時代に盛んになり、浄土宗、浄土真宗、時宗などの浄土教宗派が成立した。政情不安(無法状態)や自然災害、悪疫蔓延など、鎌倉時代は特に民衆にとっては生きることそのものが厳しい時代だったが、既存の仏教各宗派はもともと国家鎮護のために存在、発達し、名もなき個人のさまざまな苦しみを引き受けて祈願してくれるものではなかったことから、いわゆる鎌倉新仏教といわれるものが次々と誕生し、庶民にとっての心のよりどころとして各宗派ともに急拡大した。大名家でも浄土宗を宗旨とする所が少なくない。

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