佛像圖彙201

【201】春日大明神(かすがだいみょうじん)


[通釈]

春日大明神 梵字はマ 十五日

和州(大和)三笠山に鎮座。

四所明神(ししょみょうじん)という。

本地は釈迦如来。

第一は鹿島、(以下)香取(その他)。天児屋命(あめのこやねのみこと)、天照大神である。


[注]

四所明神 1社のうちに祀られる4柱の神の総称。ここでは藤原四所明神のことで、藤原氏の氏神として春日大社に祀られる四柱の神のこと。


[解説]

 春日大明神は、奈良の春日大社の祭神。摂政・関白・氏長者として栄華をきわめる藤原氏北家(摂関家)はすべて春日大明神の威徳によるものとして春日社の祭祀に努めた。特に氏長者の参詣は春日詣(かすがもうで)といわれ,春日祭にも倍する盛儀となり,また行幸や御幸なども頻繁となった。

 春日(はるひ)を「かすが」と読むようになったのは、「はるひ(春日)がかすむ」「春霞がかすむ」という枕詞(まくらことば)から、次第に地名の「かすが」にも掛かるとされ、「春日」をあてて使うようになったとされている。「かすが」の意味については、霞処(かすみが)や、神住所(かすか)、砂れき地のことを指すなど諸説がある。


[千手観音の持物]41

甘露手


 一切の飢渇している衆生に救いを灑ぐ事を表しています。

 甘露は梵語amṛta の訳語。阿蜜㗚多と音訳。不死、神酒などとも訳す。インドで天の神々が不死を得るための飲料をいい、これを飲むと苦悩を去り、長寿になり、死者をもよみがえらせるという。転じて、仏の教え、仏の悟りなどにたとえます。

 一方、中国古来の伝説では、天子が仁政を行なうめでたい前兆として天から甘い不老不死の霊薬が降るといわれ、これも甘露といわれています。

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