佛像圖彙183
【183】鹿島大明神(かしまだいみょうじん)
[通釈]
鹿島大明神 梵字はキャ 六日
常陸の国鹿島の郡
本地は十一面観音菩薩
[解説]
鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)は、祭神は武甕槌(たけみかづちのかみ)。神話で、 伊弉諾尊( いざなぎのみこと)が火神を切り殺したとき、剣に付着した血から化生(けしょう)した神。経津主神(ふつぬしのかみ)とともに、葦原の中つ国に派遣され、国譲りの交渉に成功。また、神武東征においても、天皇の危難を救った。常陸一宮。武神として信仰される。鯰抑えの要石の俗信は著名(地震の多い土地柄であろう。但し全國に知られるようになったのは安政の江戸地震以降と思われる)。
『諸神本懐集』に次のような説明がある。「鹿嶋の大明神は、本地十一面観音なり。 和光利物のかげあまねく、一天をてらし、利生済度のめぐみ、とおく四海にかうぶらしめたり。 このゆへに、たのみをかくるひとは、現当の悉地を成じ、こゝろをいたすともがらは、心中の所願をみつ。 奥ノ御前は本地不空羂索なり。 左右の八龍神は、不動・毘沙門なり。」
[千手観音の持物]33
宝印手
弁舌に巧みな事を象徴しています。印を持つというのは道教の影響ではと思われます。道教では符に朱印を鈐したりと色々な用途があります。
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