佛像圖彙141
【141】法印地蔵(ほういんじぞう)
[通釈]
法印地蔵 梵字はイー
讃龍(さんりゅう)地蔵ともいう。
[注]
持物は幡(はた)。地藏の持つ幡は六道の辻で迷う亡者を導く目印といわれる。中国では「引魂幡」等ともいう。
[解説]
法印地蔵は修羅道で衆生を済度するという(これも調べた範囲でさまざまな説があり、畜生道とするもの、別名は宝光王など一定していない)。
法印とは、 仏教を外道と区別する標識で、仏法が真実で不動不変であることを示す真理のしるし。上座部仏教(小乗仏教)では諸行無常印・諸法無我印・涅槃寂静印の三法印とし、大乗仏教では一実相印の一法印とする。通常は「三法印」などの熟語形で使われる。日本では僧侶の最高の位で、僧正に相当するものとして使われ、中世以降は僧侶の称号に準じて、儒者・仏師・医師・連歌師・画工などにも授けられた。また、姓としても使われている。
[千手観音の持物]15
旁牌手
旁牌(ぼうはい)は防牌とも書し、手に持つ盾のこと。和訓では「手盾・てたて」と。日本ではすでに廃れたものの、延喜式に規定があるので上代には用いられたようです。後には大型の墻盾(かいだて)が一般的に。法器としては一切の罪障(図の説明では悪獣に例えている)を防ぐ物としての象徴。
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