佛像圖彙126
【126】一如観音(いちにょかんおん)
[通釈]
一如観音
雲雷鼓掣電
[注]
一如 一体のこと。観音と一体となるの義。「いちにょ」とも。
雲雷鼓掣電 法華経普門品第二十五偈「雲雷鼓掣電 降雹澍大雨 念被観音力 應時得消散」(うんらいくーせいでん ごうばくじゅだいうー ねんぴーかんのんりき おうじーとくしょうさん)(雲が雷(かみなり)を起し電(いなずま)を発し、雹を降らせ大雨を澍(ふ)せようとも、彼の観音力を念じれば、時に応じて消散させることができる)に基づく。
余説
この偈に基づき観音には雷避けの利益が有ると信仰される。浅草観音の四万六千日に雷避けの符を出すのもこれによる。東京大田区の新田義興の怨霊に伴う伝承による鵜木(うのき)光明寺雷止観音もこの一つ。古川柳に曰く「普門品雷の時読むお経」と。
[解説]
一如観音は、雷を制するように雲に乗り、とどろく雷鳴や降りすさぶ大雨雹を鎮め治めることから、空にかかわる災難から救ってくださる観音。一如とは、不二のこと。観音と一体になりきりたいと切望する願いを表した名前。
画像は愛知県前田公園の一如観音坐像。
[千手観音の持物]7
施無畏手
千手観音の手そのものが一切の畏れを取り除く事を象徴しており、持物はありません。
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