佛像圖彙39

【39】児文殊(ちごもんじゅ)

[通釈]

児文殊 梵字はアン

『涅槃経』(ねはんぎょう)にいう、「十方世界の有仏・無仏どちらの国でも大乗の法を述べ広めるのは、皆文殊の力である」と。


[注]

児文殊 稚児文殊とも。恐らく日本で発生した像様。春日若宮の本地とされるため童形に描かれたのではと思われる。

土佐光元画「児文殊図」男爵末松謙澄所蔵、「美術画報」八編巻九(1901年2月5日)掲載

時代的にやむを得ないが、カラー版でないのが残念。

涅槃経 正しくは『大般(だいはつ)涅槃経』。原始仏教の経典。釈迦の晩年から入滅前後までを伝記的に述べながら、仏教の基本的な立場を明らかにする。パーリ語の原典のほか、諸種の漢訳がある。

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