南留別志381

荻生徂徠著『南留別志』381

一   今の世に乱曲といふ物あり。宴曲、真曲の類なるべし。謡に曲舞といふ物あるも、もとは宴曲真曲の類に、前後をつくりくはえたるなり。


[語釈]●乱曲 最高の芸位に達した演者の自在な境地を「闌(た)けたる位」とするが、その位をもって謡われる謡のこと。世阿弥は謡を、祝言・幽玄・恋慕・哀傷・乱曲の五音に分類し、乱曲は他の4つを超越した至高のものであると位置付けている。また、現在は上演されない古曲などの聞かせ所を独立させ、原則独吟で演じるものも乱曲(曲舞とも)という。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。