執筆法(3)
執筆法(3)
現在は書道は学校で教わるとはいえ、生涯にわたって毛筆に親しむ人というのは限られる。それに対し、昔は読み書きをするには毛筆は必須だったから、とにかく書けるようにならなければならない。
一方、実用以外にも美しい文字というのが追求され、手本とされた。専業の書家の出現(それによって生活が成り立つ人)は意外と遅いが、書の手本としてすばらしい文字を書く先人たちを書の達人として崇めることは早くからなされた。
良い字、美しい字を書くには、まずよい手本を真似ること(臨書)が基本だが、それには筆の持ち方も大切。そこで、筆の持ち方を図示した執筆法の書がいろいろ出された。
右上は草書、右下は行書、左は太字の持ち方。今は学校では楷書から習うが、本来は筆記体である草書、行書から入るもので、楷書は印刷された書物、経本によって広まったものであり、いわば「見る」書体である。そもそも楷書は連続していないから書きにくい。 つづく
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