南留別志378

荻生徂徠著『南留別志』378

一   地名に尾といふは、丘の字なり。


[解説]尾のつく地名は、多くが人名にもなっている。尾田、尾崎、尾山、松尾、高尾、足尾、赤尾、寺尾、横尾など。この他、地名では尾張、尾花沢、尾道をはじめ、全国至る所に「尾」のつくものが存在する。この「尾」について、徂徠は本来「丘」の字であるとする。つまり、意味も丘を示すいうこと。「尾」は山の裾の伸びた所という意味で使われていることが多く、丘を示すものはあまり見られない。字の構造は会意で、尻を表わす「尸」と「毛」を合わせて、獣(けもの)のしっぽのこと。丘の意はない。徂徠は何に基づいてこのように言ったのかが知りたいところ。

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