執筆法(1)
執筆法(1)
東隅書生氏の『東隅随筆』第664号で、執筆法に関する記事と画像が掲載されていた。毛筆の筆の持ち方を示したものである。昔は筆記といえば毛筆がすべてだったから、能書や悪筆、つまり字の上手・下手はともかく、毛筆に慣れるしかなかった。勢い、筆はどのように持つのがよいか、といったことが大切なこととして追求されるようになった。
ここでは、『東隅随筆』に掲載された画像を許可を得て転載しながら(記事も適宜引用)、執筆法というものについて紹介し、筆の持ち方について参考にしていただければと思う次第である。
作者不詳の画幅。机上に紙と硯が置いてあり、平安女流とおぼしき人物が筆を執ってこれから何かを書こうとする場面。まだ書き始めず、頭の中で思い描いているように見える。
平安の頃といえば、読み書きができるのは貴族と役人、僧侶らごく限られた人だけ。文字を知り、言葉や表現なども理解しなければ、詩や文を書くなどとてもできない。と同時に、筆を持って書くという動作、行為もいいかげんではできない。とくに和文は見た目も大切にされた。当然、筆はどのように持つときれいに書けるか、といったことも重要なことと認識されたはずである。そこで、執筆法というものが必要になる。 つづく
0コメント