南留別志241
荻生徂徠著『南留別志』241
一 福禄寿といふは、福星、禄星、寿星といふ事、星命の家にある事なるを、たれかひとつにして、かゝる形をつくりいでけん。
[解説]徂徠のいうように、「福禄寿」はもともと中国において明代以降広く民間で信仰された、福星・禄星・寿星の三星をそれぞれ神格化した三体一組の神で、春節には福・禄・寿を描いた「三星図」を飾る風習がある。また、道教でも幸福・財産・長寿を三徳とし、これを具現化したものが福禄寿(南極星の化身(南極老人))とされた(諸説あり)。
日本では七福神の一人「寿老人」とし、福禄寿を一体のものとして信仰した。
「星命」は漢語で、占星のこと。このような語を使うところに、中国語が堪能だった徂徠ならではの学識の程が知れる。
下の絵は橘守国画の福禄寿(寿老人)。
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