南留別志190

荻生徂徠著『南留別志』190

一 太平記に細馬(さいば)といふ事あり。よき馬をいふ。令(りょう)に見ゆ。


[語釈]

●細馬 「せいめ」とも。良馬。飼い慣らされた馬。「外様の大名共、細馬に轡(くつばみ)を噛(か)ませて」〈太平記・一一〉なお、この文は『新唐書』(しんとうじょ)百官志・三を依拠したものとみられる。 

●令 『延喜式』四八に「凡(およそ)細馬十疋、中馬五十疋〈略〉毎年四月十一日始飼青草(始めて青草を飼う)」とあり、徂徠は「細馬」という語は律令の用語として古くから存するものとみている。

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