菊池五山・太田南畝幅

菊池五山・太田南畝幅

東隅書生

市河寛斎の江湖詩社の中で、大窪詩仏に並ぶのは菊池五山である。当然『東隅随筆』としては菊池五山の幅も掲げよう。

僅か七言の二句を書いた紙に過ぎない。台貼りして幅に仕立てたものである。これもまた安価であったために善補楽工房に来たものだ。巻き折れが目だって、欲しがる人は少なかったために価格も高騰はしなかった。大窪詩仏と並べて同じ号に掲載できたことは幸いである。

下は大田南畝の漢詩幅。

中秋明月に始まる。この幅が、南畝の漢詩集にあるかは調べていない。今回はこんな幅があったという程度としよう。

大田南畝の作は代筆、偽筆も多くて真贋不明な者が多い。

代筆は当人公認であったらしいので、もはや区別は出来ない。印も本人所用印を使っていたと伝えるほどであるから。大田南畝の漢詩幅の掲載は『東隅随筆』では初であろうか。

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