斉諧俗談103
斉諧俗談 103
〇怪鏡[あやしきかがみ]
五雑俎に言う、周の時代の火済鏡[かさいきょう]は、闇の中でも昼間のようにはっきりと物を映し、鏡に向かって話しかけると、鏡の中の影が返事をするという。また述異記に言う、日南国に石の鏡がある。大きさは百里もあり、五臓六腑を見ることができることから、仙人鏡と呼ばれている。国中の人たちは、病気になると鏡に自分を照らして病源を知るという。また神異経に言う、昔ある夫婦がいた。離婚するにあたり鏡を半分に割り、それぞれ一片を所持し、二度と他人と一緒にならぬと誓い合った。ところが、それから元妻は他人と関係を持った。妻の持っていた鏡は鵲[かささぎ]となって元夫の所へ飛んで行き、元妻が約束を破ったことを知ったという。
〔割注〕後世、鏡を作るにあたり、別に鵲を作ってその背に鏡を置くということは、この話が元になったという。
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