図面に不要な印(2)

図面に不要な印(2)

東隅書生 


梅と竹は谷文晁と喜多武清が担当したものらしい。

画幅の右下部分に旧蔵者の鑑蔵印が押されている。こんなものを画面に入れる必要があるとは思わない。

中国の皇帝がペタペタ印を押すので、それに倣って押す手合いがあるが、よほど印影を見て好ましく思う者ならともかく、画面に本来不用の印であれば避けるべきだろう。といって押されているものを無理に切り取れば画面が傷つく。印を押すとはそれほど見識を計られる材料となり、後世に影響を与え、後世からの評価を受けることになり、不見識なことを行えば、何を言われるか分かったものではない。君子危うきに近寄らず、余計なテを加えぬが無難なところであろう。

蔵書印も同じで、不出来な印影を残し、自分の不見識で書物を汚すのは避けたい。

以上、著者の許可を得て転載。

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